コーヒー愛好家の皆さん、アジアのコーヒー生産国としてのタイの魅力をご存知ですか?タイのコーヒーは、その豊かな味わいと特別な栽培方法で、世界中から注目されています。この記事では、タイがコーヒー生産国としてどう特別なのか、その理由を深掘りしていきます。
人工 : 6980万人(2020年)
GDP : 5018億米ドル(2020年、世界大24位)
1950年以降に成功したクーデター8回(ボリビア、ハイチに次ぎ、世界第3位)
アジアには多くのコーヒー生産国がありますが、タイのコーヒーは特に独自の特徴を持っています。この国の美しい自然と温かい気候は、コーヒー豆が育つのに最適な環境を提供しています。さらに、タイのコーヒー農家たちは、伝統的な方法を守りながらも、品質向上のための革新を続けています。
タイのコーヒー豆の味わいは、アラビカ種とロブスタ種に代表される二大品種から成り立っています。これらの豆は主に山岳地帯で栽培され、その地域の冷涼な気候と豊かな土壌は、コーヒー豆に独特な風味を与えます。
アラビカ総生産量 : 45.41%、9090トン(2021年、農業省)
ロブスタ総生産量 : 54.59%、12682トン (2021年、農業省)
小売量 : 87618トン、5%増(2021年、ユーロモニター社)
アラビカ種の総栽培面積 : 約195平方キロ、81.7%が現在栽培中(2021年、農業省)
ロブスタ種の総栽培面積 : 約235平方キロ、88.1%が現在栽培中(2021年、農業省)
タイでのコーヒー栽培は、環境への配慮と持続可能性を重視しています。農家は、自然環境を守りながら、高品質のコーヒー豆を育てるための方法を継続的に模索しています。
タイには、他の国ではほとんど見られない珍しいコーヒー豆の品種があります。これらの品種は、タイの特別な気候と土壌の恩恵を受けて育ち、世界中のコーヒー愛好家から高い評価を受けています。
タイのコーヒー栽培には長い歴史があります。何世紀にもわたるこの歴史の中で、タイの人々はコーヒー豆の栽培方法を磨き上げ、品質向上に努めてきました。
タイでは、有力な王室系財団と政府がアヘンに変わる換金作物としてコーヒーを選んだことから、アラビカ種の栽培が始まりました。
1980年代はじめ、タイ、ミャンマー、ラオスの国境地帯は「ゴールデントライアングル」と呼ばれ、ドラッグなど違法品の製造・販売で悪名をとどろかせていました。ところが40年のうちに、生計を立てる手段が変化し、アラビカコーヒーの栽培を中心とした「まっとうな」手段で生計を立てられるようになったゴールデントライアングルは、その成功を大々的に取り上げられるようになります。実際、アヘン栽培を廃止することに成功したタイの専門家が、アフガニスタンへのアヘン撲滅プロジェクトなど、国外での同様のプログラムについて助言をを求められるようになりました。
1980年から40年間で大きな経済発展を遂げ、急速に都市化が進み、これまで夢にも思わなかった購買力を持つミドルクラスが増えました。タイのコーヒーがいまだに「未知数」である理由を理解するには、スペシャリティコーヒーの需要が生まれる前に国の経済力が増大したことを忘れてはいけません。
2000年代はじめ、タイでは生産量のほとんどが国内で消費されており、生産を続けていくのに十分な高値が付いていました。つまり、国外で大量に流通させるにはタイ産コーヒーの価格は高すぎたのです。タイでは高品質なコーヒーは言うに及ばず、低品質なコーヒーもグローバル市場では高すぎたため、スペシャリティコーヒーのバイヤーにとってはうまみがありませんでした。
タイのコーヒーの知名度が上がらなかったもう一つの要因は、国内のスペシャリティコーヒー市場の発展の仕方にあります。タイにおけるスペシャリティコーヒー生産の拡大は、熱心な国外のバイヤーによってもたらされたのではなく、海外旅行・居住先の先進国でサードウェーブの誕生を目撃した、タイ出身の起業家たちの力によるものでした。この20年ほど、タイのアッパーミドルクラスの家庭では、留学や就職で子どもたちを海外に送り出す経済的余裕が出てきました。かれらの多くは、スペシャリティコーヒー文化への関心をタイに持ち帰り、中にはロースタリーやカフェ経営に乗り出す人もいました。
アヘンに代わる換金作物としてコーヒーが推奨されたとき、政府と開発専門家は、(輸入品のインスタントコーヒーではなく)国内産コーヒー豆の国内需要を喚起することを目指しました。そこで政府は、タイのロースターがタイ産のコーヒー豆を優先するように、海外からの輸入品に対して高い関税を課しました。今でも、タイは世界屈指の関税をコーヒーに課しており、その税率は実に90%(インドに次いで世界第2位)。こうなると、タイのロースターやカフェが海外からコーヒー豆を調達しようとすると膨大な手間とコストがかかります。
法律が功を奏して国内の需要が伸び、価格が上がったことで農家も恩恵を受けました。
次に、法人による高地の土地所有を厳しく制限する法律が、アラビカ種の栽培に適した土地をハゲタカのような企業から守ってきました。その大部分は保護林で、農業権は同地に住む山岳民族にのみ与えられるようになっています。
つまり、タイのコーヒー生産は、これまで不利な立場にあった地元の小規模な農家が行う設計になっているのです。経済発展と高い価格も相まって、当初からのコーヒー農園のオーナーが今もコーヒー生産に関わり、その子どもたちが家業を継いでいます。
タイのコーヒー農園を訪れることは、ただコーヒーを味わうだけではなく、その栽培から加工までの過程を学ぶ絶好の機会です。地元のコーヒーショップでは、その場で焙煎された新鮮なコーヒーを楽しむことができます。
アラビカ種栽培地トップ5(生産量、面積)
チェンマイ : 4446トン、52.30平方キロ
チェンライ : 2573トン、65.84平方キロ
メーホンソーン : 638トン、8.68平方キロ
ナーン : 573トン、14.11平方キロ
ランパーン : 487トン、8.42平方キロ
タイのスペシャリティコーヒーにも、対処しなければならない問題があることも忘れてはいけません。
タイ産スペシャリティコーヒー豆への需要が遅まきに来たため、希少種への植え替えが始まってないことです。
みなさんが飲んだことのあるタイのコーヒーは、おそらく複数の品種が混じったものである可能性が高いのです。
アヘンに代わる作物として植えられた30〜40年前のティピカ種やブルボン 種を今なお栽培している地域もありますが、ほとんどは地元産のハイブリッド種にとって代わっています。ジャワやゲシャといった希少種は、いまだにハイエンドもしくはニッチなカフェでしか提供されていません。植え替えが進んでいるとはいえ、複数の品種が混じり合った現状の生豆にすでに高い価格がついていること、気候変動による課題、リスクを取る覚悟と豊富な資金を持つ法人が法規制により大規模なコーヒー農園を所有できないことを考えると、パナマやコスタリカに匹敵する品種の栽培を後押しできる要素はごくわずかです。コーヒーの品質向上の大部分は、革新的な精製方法の開発に注がれる多大な努力の結果によるものですが、90点を超えるスコアのウォッシュトコーヒーを何トンも輸出できるようになるまでには、まだ何年もかかるでしょう。
タイのコーヒーは、その独特な風味、持続可能な栽培方法、豊かな歴史、そして珍しい品種によって、世界中で愛され続けています。この記事を通じて、タイのコーヒーが持つ魅力を少しでも感じていただけたなら幸いです。これからも、タイのコーヒーを深く探求し、その豊かな味わいを楽しむ機会を見つけてください。タイのコーヒーは、あなたを新しい世界へと誘います。
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