カリフォルニア州は、ゴールデン・ステートと呼ばれ、多くの太陽と温暖な気候を持っています。この美しい地域は、フルーツや野菜だけでなく、驚くべきことにコーヒーの生産地としても知られてきました。ここでは、カリフォルニアでコーヒーがどのようにして栽培され、なぜこの地がコーヒー生産に適しているのかをご紹介します。
州概要 : 農業が盛んなカリフォルニア州では、400種以上の農作物が生産されている。アメリカの野菜の3分の1以上、果物とナッツの3分の2以上がカリフォルニアで栽培されている。
面積 : 423970平方km
人工 : 39538223人
州都 : サクラメント
言語 : 州内で使用される言語は200以上。英語話者の次に、スペイン語話者が多い。
100以上の先住民族言語が使用されており、カリフォルニアは世界トップクラスの言語多様性を誇る地域である。
カリフォルニア産コーヒーの誕生は2002年のこと。Good Land Organicsの農園で、試験的にコーヒーの栽培が始められました。古いアボガドの木々の間にコーヒーノキを植えていきました。まずカトゥーラ、ティピカ、そしてゲシャから始め、その後、遺伝資源や生きた苗から育てた品種を植えました。また、ローリナ、カトゥーラ・アマリージョ、カトゥアイなどの新品種を保有するエルサルバドルのコーヒー研究所Pro Cafeから入手した品種の栽培も始めました。
そして2014年、Good Land Organics農園で栽培したFRINJ CoffeeのカトゥーラがCoffee Reviewで100点満点中91点を獲得し、世界ランキングで27位を記録したのです。このニュースが多数のメディアで取り上げられたことにより、この地のコーヒー栽培が大きな可能性を持つという認識が南カリフォルニア帯の農業従業者に浸透しました。
FRINJ Coffeeは75軒のコーヒー栽培農家と提携しており、各農家が栽培するコーヒーノキを合わせると10万本以上になります(各農家の栽培本数は200本から2万本まで、さまざまです)。
コーヒーノキの生育には温暖湿潤な熱帯気候が適しています。例えばグアテマラ、コスタリカ、コロンビア、ブラジル、インドネシアなどの地域がこれにあたります。ではカリフォルニア州はどうでしょうか?意外なことに、カリフォルニアもコーヒー栽培に適しています。穏やかな気温に海から吹く涼しい風、さまざまな成分が複雑に混じった土壌、そして夕方になると一帯に立ち込める霧。このようなカリフォルニアの気候は、コーヒー栽培にまさにうってつけなのです。赤道地帯では年に数回コーヒーを収穫できますが、カリフォルニアは年1回の収穫物からスペシャリティコーヒーを生産しており、州内のどこにコーヒーノキを植えるかを決める際にはマイクロ・クライメット(局所的気候)が決め手となります。
カリフォルニア産コーヒーは、アボガドなどの成木がある果樹園で栽培されることが多く、高木と低木が入り交じるこの多層構造がコーヒーの生育に役立っています。なかでも特に理想的な農園には、緩やかな斜面、霜が降りない環境、良好な日当たり、海からの影響を受ける立地といった条件が揃っているほか、コーヒーノキを強風から守る仕組みや 設備が整っています。また、多くの農家がスペシャリティ作物としてコーヒーを栽培しています。Lemon Ridge農園もその一つです。オーナーであるランス、スーザン・フラウッチ両氏はレモンを栽培していますが、レモンはカンキツグリーニング病(HLB)の被害を受けることが多いため、経営が成り立つよう新たな作物を探しました。そこでコーヒーに出会い、栽培を始めました。カリフォルニアがコナやコスタリカに続くスペシャリティコーヒーの一大産地になり得る、と両氏は考えています。州内のコーヒー農家の大半では、植え付けから3年で収穫が可能となり、4年目には相当量の収穫が見込まれます。そして5年目から本格的なコーヒー生産が始まります。
カリフォルニアのコーヒーは、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)の手法で生産されています。進化する食糧供給のあり方に対応するためには、このリジェネラティブ農業が欠かせません。FRINJはん現在Gaviota Coast Conservancy(GCC)の支援のもと、土壌の健康状態や生態系の回復力の向上、最適なかたちで水を利用する方法を研究しています。
サンタバーバラ郡、サンディエゴ郡、ベンチュラ郡、ロサンゼルス郡、リバーサイド郡
主な輸出先
日本、イギリス
世界のコーヒー市場は、2020年時点で1000億ドル規模に上ります。米国農務省(USDA)の報告書「Coffee: World Market and Trade」によると、2020-2021年期における全世界のコーヒー収穫量は推定1億7600万袋(1袋60kg)。つまり105億kg以上のアラビカ種が市場に出回ることになります。カリフォルニア州内のアボガド農園がすべてコーヒーに転作したとしても、市場全体への影響は0.1%にも満たないのですから、これがいかに膨大な量であるかがわかるでしょう。この先、カリフォルニア産コーヒーが既存の市場を席巻する可能性は恐らくないと言えます。しかし、世界のスペシャリティコーヒー市場内に居場所を見つけました。Forbes誌によると、世界のスペシャリティコーヒー市場は2018年に3500万ドル規模に達し、2025年にまでに8300万ドル規模に成長するとのこと。FRINJでは、カリフォルニア産コーヒーを1ポンド当たり平均250ドルでアメリカ国内外に販売しています。カリフォルニア産のワインやクラフトビール市場が急成長を遂げていることからも、消費者が新たなフレーバーを待ち望んでいることは明らかです。そして現状の消費者が次に求めるフレーバー体験こそが、シングルオリジンコーヒーなのです。
カリフォルニアは、その温暖な気候と豊富な日照量を活かし、独特のコーヒー文化を育んでいます。持続可能な栽培方法、珍しい品種の発見、地元経済への貢献、観光地としての魅力など、カリフォルニアのコーヒー生産地が持つ多くの魅力を通じて、コーヒー愛好家の心をつかみ続けています。この美しい地で育つコーヒーを一度味わってみれば、その特別な味わいの理由がわかるはずです。
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