ICA 1962年に成立した国際コーヒー協定。コーヒーの世界的な需要と供給のバランスをはかり、消費国にとっては公正で、生産国にとっては採算のとれる価格安定を目指す国際商品協定のこと。
ICO 国際コーヒー機構。1963年、国際コーヒー協定の運営を管理するために発足した政府間組織。現在の活動はコーヒー産業の発展、消費の新興に主眼が置かれている。
アーシー コーヒーの味を評価する、味覚用語のひとつ。大地の土っぽさなどを感じさせる風味に対して使う。
アザーマイルド ニューヨーク先物取引や国際コーヒー機関(ICO)で商業取引上分類している呼称の日ひとつ。コロンビア、ケニア、タンザニア以外の、おもに水洗式で精製された中米産のアラビカ種。
アメリカン 浅煎りの豆で淹れたさっぱりとしたコーヒー。砂糖やミルクを加えずにたくさん飲むのがアメリカンスタイル。日本では通常のコーヒーをお湯割にしたもの、という間違った認識されていることもある。
アラビカ種 エチオピア原産とされる種で、高温多湿の環境に弱く、比較的標高が高い冷涼な土地で栽培されている品種。優れた香味・風味を持つ。高品質なストレートコーヒーのほとんどがこの品種。現在はブラジルの高原地帯や中米の高地、東アフリカなどざまざまな地域で栽培されている。ロブスタ種と並ぶコーヒー豆の2大原種として知られる。
アロマ 焙煎したときや粉砕時のコーヒーの香りを”フレグランス”、湯を抽出して液体となったコーヒーの香りを”アロマ ”、抽出したコーヒーを口に含んだときの香りを”フレーバー”と称する。香りが強い、齢などの判断や香りの特徴から、個性を評価・表現する。
アンウォッシュト コーヒー豆をサンドライ(自然天日乾燥)させ、脱穀機なそにかけて生豆に精製する方法のこと。
イブリック 粉をこさずに上澄みを飲む、ターキッシュ・コーヒー(トルコ式のコーヒー)を抽出するための器具。銅や真鍮製で、長い柄のついた柄杓形をしている。ジャズベとも呼ばれる。
イタリアンロースト 豆が黒褐色になるまで煎った最も深い焙煎のこと。アイスコーヒーや、牛乳、生クリーム、砂糖などをたっぷり加えて飲むアレンジコーヒーに向いている。
インスタントコーヒー 抽出したコーヒー液の水分を乾燥または蒸発させて粉末状にしたもの。お湯などで溶かして飲む。高温のコーヒー液を噴霧して素早く乾燥させるスプレードライタイプと、コーヒー液を凍らせて砕いたあと真空状態にして蒸発させるフリーズドライタイプがある。
ヴェルジ 欠点豆の一種で、未成熟まめのこと。”緑色”という意味。これを混入したまま淹れると、飲めなくなるほどの青臭さがある。ヴェルデともいう。
ウォータードリップ 水で時間をかけてドリップ抽出する方法、または抽出したコーヒー(水出しコーヒー)のこと。
ウォッシュド 水洗式精製のこと。コーヒーの果実を水につけてから精製した豆。異物や欠点豆の混入が少なく精製度が高いため、多くの生産国が採用している。
ウッディ 生木や枯れ木のような風味のコーヒーに対して使う、味覚用語の一つ。
SCAA アメリカスペシャルティコーヒー協会。1982年、スペシャリティコーヒーの世界的な指標・基準の普及を目的に発足した組織で、コーヒー豆の生産者・卸問屋・焙煎所などさまざまなコーヒー関係者が構成員となっている。
SCAJ 日本スペシャリティコーヒー協会。2003年、日本でのスペシャリティコーヒーの普及・啓蒙を目的に発足した団体。プロのコーヒー販売員の育成を目指す「コーヒーマイスタ講座」や「ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ」の主催など、コーヒー業界の発展とコーヒー文化の醸成も含め、活動をしている。
エアロプレス 注射器のような要領で、ピストンにあたるプランジャー部を押して空気圧でコーヒーを淹れる器具。レギュラータイプとエスプレッソタイプの、2タイプのコーヒーを淹れることが可能。
エイジング 生豆の水分を抜いたり、熟成させるために一定期間倉庫で寝かせたりすること。焙煎しやすくなり、味がまろやかになるとも言われている。
エスプレッソ イタリア語で「早い、急行」の意。数十秒と短い時間で30ccほどを抽出するところからこう呼ばれる。人工的な圧力を使った抽出方法。深煎りの豆を極細に挽き、専用の器具で抽出したコーヒー。イタリアのバールでは砂糖をたっぷり加えて立ち飲みで楽しむスタイルが多い。
エスプレッソマシン エスプレッソを抽出するための機械。粉をホルダーに詰めてタンパーで押し込み、蒸気圧によって一気に抽出する。スチームノズルがついている物も多く、フォームドミルクも簡単に作れる。最近では家庭用マシンやハンディタイプも人気。
円錐ドリッパー 円錐形をしたペーパードリップ 用のドリッパー。大きな穴が1つあいており、専用のペーパーフィルターをセットして使用する。味の調整の自由度が高いのが特徴。コーノ式とハリオ式が有名。
オーガニックコーヒー 無農薬、有機栽培のコーヒー豆またはこの豆から抽出したコーヒー。
オールドクロップ 収穫されて2年以上たった生豆。オールドコーヒー、エイジドコーヒーとも呼ばれる。
オールドクロップ 前年度以前に収穫したコーヒーの生豆。ニュークロップにくらべて黄色がかって含水量が少なく、風味が薄い。オールドコーヒー、エイジドコーヒーとも呼ばれ、青臭さが抜けたまとまりのよい味になると好まれることある。
カッパー カッピングを行う鑑定人のこと。
カッピング コーヒーの品質を鑑定するために行う味覚審査。フレーバーや甘さ、酸の質、カップのキレイさなど、さまざまな面から評価する。テイスティング、カップテイストともいう。
カップオブエクセレンス(COE) コーヒーの国際品評会。その年に生産され、非常に厳しい審査会において多角っ評価されたコーヒーに対して与えられる称号で、国内外の審査員により最低5回以上行われるカップテストを経て選ばれる。生産国ごとに通常年一回行われるもので、2014年は十ヶ国で開催された。COEと略されることもある。
カップクオリティ おもにカッピングにおける、風味のよしあしのこと。
カップテスト コーヒーの生豆の売買に際し、産地・銘柄ごとの品質を鑑定するために行われる検査。
カトゥーラ種 アラビカ種の栽培品種の一つで、ブルボン種の突然変異から生じた。中米の主要品種。
カネフォラ種 高温多湿の環境にも強く、病害虫にも強い、比較的育てやすい品種。強い苦味とロブスタ臭とも言われる独特のクセがあり、ブレンドの材料やインスタントコーヒーの原料として利用されることが多い。主に東南アジアの低地などで栽培されている。
カフェイン コーヒーやカカオ、茶葉などに含まれる苦味成分で、天然有機化合物アルカロイドの一種。覚醒、興奮、利尿、胃液分泌、基礎代謝亢進などの作用がある。
カフェインレスコーヒー 生豆の段階でカフェインを90%以上除いたコーヒーのこと。カフェインフリーコーヒー、デ カフェとも呼ばれる。
カフェオレ フランスのアレンジコーヒー。「レ」はフランス語で牛乳のこと。フレンチローストのドリップコーヒーに、温めた牛乳を加えたもの。基本の割合は1対1。
カフェラテ アメリカのアレンジコーヒー。イタリア語でネーミングし、それを英語読みしている。シアトルタイプのエスプレッソに、スチームで泡立てたフォームドミルクを注いで仕上げたもの。
カプチーノ エスプレッソにフォームドミルクを注いだもの。修道士が被る頭巾(カプチョ)に風合いが似ていることから名付けられたと言われる。
カリタ式ドリッパー 3つ穴のペーパーフィルター用ドリッパー。布ドリップの形状をもとに1959年に日本のカリタが考案。淹れ方によって味わいが変わる。
銀皮 コーヒー豆の外側を覆っている薄皮。焙煎の時にチャフとなってほぼ取り除かれる。シルバースキンともいう。
グラインダー 焙煎した豆を粉に挽く道具。ミルともいう。手動式と電動式がある。
グラインド 焙煎した豆を粉に挽く道具。ミルとも言う。手動式と電動式がある。
グラッシー 味覚用語のひとつ。草のように青臭い風味のコーヒーを指す。
グリーンコーヒー 焙煎する前の生豆のこと。緑色を帯びていることからこう呼ばれる。
クレマ エスプレッソを抽出した際にできる茶褐色の細かい泡のこと。味わいをまろやかにする重要な要素であり、これで理想的な抽出液の状態を確認する。
クロロゲン酸 コーヒー豆に含まれるポリフェノールの一種で、風味のもとになる。近年この成分の持つ健康効果が注目されている。
ゲイシャ エチオピア原種のティピカ系の栽培品種。希少な品種で、限られた地域でしか栽培されない。
欠点豆 生豆中に混入している発育不全豆や不良豆のこと。黒豆、ヴェルジ、発酵豆、虫食い豆、死豆、カビ臭豆、貝殻豆などがある。これらを混入したまま抽出すると、コーヒーの味に悪影響を与える。
コピ・ルアク 幻のコーヒーと呼ばれる希少なコーヒー。「コピ」とはインドネシア語でコーヒー、「ルアク」はジャコウネコのことで、野生のジャコウネコのことで、野生のジャコウネコが完熟した良質なコーヒー果実だけを食べ、消化されずにパーチメント(内果皮)が付いた状態で排泄されたものを取り出して洗浄し、脱穀して作られるコーヒー豆のこと。甘さや複雑な香味、独特の香りがあるとされる。同様な例では、フィリピンのカベ・アラミド(ジャコウネコ)、ブラジルのジャクー・コーヒー(ジャクーという鳥)、アフリカの猿やニューギニアのリスなどによるさまざまな希少コーヒーもある。
コーヒー アラビカ語でコーヒーを意味する「カファ」が転訛したもの。また一説にはエチオピアのコーヒー産地「カッファ」がアラビア語に取り入れられたとも言われる。この語がコーヒーの伝播にに伴い、広がったもので、日本には江戸時代にオランダからもたらされた。
コーヒー鑑定士 ブラジルの資格制度で、コーヒー豆の買い付けや販売、輸出などの商売知識などの商売知識に加え、コーヒー豆の格付けをするための知識、ブレンドの技術などを持つ者が取得可能。ポルトガル語で「クラシフィカドール」とも言う。日本では。J•C•Q•A•(全日本コーヒー商工組合連合会)が認定を行っている。この連合会は2003年にコーヒーの正しい知識の普及と技術の向上を目的としてコーヒーに関する資格認定制度を立ち上げた。2級から講習を受講し、試験に合格すると1級→コーヒー鑑定士の順に講習と受験の資格が与えられる。
コーヒーの日 1983年に全日本コーヒー協会が10月1日をコーヒーの日とした。国際協定により定められたコーヒー取引の新年度が10月1日であることにちなむ。
コーヒーカップ コーヒーを飲むための取手付きのカップ。もともとは取手のない形だったが、絵柄の正面がわかるような取手をつけたとも。100〜150cc容量のものが一般的で、受け皿が付く。紅茶用のティーカップに比べ口が小さく、カップ上下が高い。受け皿がなく、容量が240ccほどのものはマグカップと呼ばれるが、これは日本独特の言葉。取手がないカフェオレ専用のカフェオレボウルなどもある。
コーヒークリーム 本来の「クリーム」は牛乳から輸出した乳脂肪のこと。日本では乳脂肪分18%以上のもの、という規定があるためいろいろなクリームが存在する。よく見かけるのはポーションタイプのものだが、これは動物性クリームの代わりとして考案されたもので、植物性の油脂に乳成分を加え粘度を持たせた製品。粉末タイプのものは、これを粉末状にしたもの。動物性クリームはいわゆる生クリームと呼ばれるもので、コーヒーに合うのは乳脂肪分が20〜38%程度のもの。
コーヒーチェリー コーヒーの果実のこと。熟すと赤くなり、サクランボに似ていることからこう呼ばれる。1kgの生豆を得るには約5倍の果実を収穫しなければならない
コーヒーベルト 南北緯25度以内の熱帯地方でコーヒーの栽培が可能なエリア。地球をベルト状にとりまくこの一帯ではその栽培に適した気候風土をもつことから多くの生産国がある。
コーヒー豆 アカネ科コフィア属の熱帯植物コーヒーノキの種子。直径1.5cm〜2cmの果実の中心に、向かい合う形で2粒の種子がある。英語でも豆を意味する語を当て「Coffee bean」と呼ぶが、実際は種子。
コーヒーサーバー ドリッパーを乗せてコーヒー液を受ける耐熱ガラス製のポット。最近ではドリッパーとサーバーが一体化しもの(ケメックスなど)もあり、デザイン性の高さで人気。
コーヒーシュガー カラメル溶液を絡ませた小粒の砂糖。徐々に溶けるので、飲むにしたがって甘みが増すように感じ、味の変化が楽しめる。
コーヒーフィルター ペーパーフィルター、ネルフィルターが代表格。最近ではドリッパーと一体化した金属製のフィルターなども人気がある。
コーヒーマイスター 日本スペシャルティコーヒー協会が主催する講座を修了し、試験に合格すると認定される。コーヒーに対する、より深い知識と基本技術の習得、またカスタマーへより豊かなコーヒーのあるひと時を提案する専門家の養成を目的とする。同協会の協会員であり、コーヒー販売に従事している人に受講資格がある。
コッコ 欠点豆のひとつで、果肉がついたまま乾燥させたり、果肉除去が不完全だったりしたもの。コッコとは”糞”の意。
コマーシャルコーヒー 一般に多く流通している汎用コーヒーのこと。コモディティコーヒー、メインストリームコーヒーとも言う。
コモディティコーヒー 流通量の多い汎用コーヒー。コマーシャルコーヒー。
コロンビアマイルド コロンビア、ケニア、タンザニア3国のコーヒーの総称。ニューヨーク先物取引所や国際コーヒー機関で、高品質の水洗式アラビカ種として分類されている。
サードウェーブ コーヒー界第三の波。第一がインスタントの大量消費、第二がシアトル系エスプレッソ。サードウェーブは高品質な豆を主にハンドドリップで提供、浅煎りで酸と甘味を楽しませる傾向だ。アメリカのインテリジェンシア、スタンプタウン、カウンターカルチャーが御三家とされるが期限は北欧とも。
サイフォン 気圧の差による湯の移動を利用した抽出器具。19世紀ヨーロッパで発明され、日本には大正時代に伝わったという。一般的なガラス風船型サイフォンの抽出手順は次の通り。下のフラスコに湯を入れ加熱する→沸いたら一旦火から下ろす→フィルターを取り付け、コーヒー粉を入れた上のガラス器を差し込む→再度沸騰すると蒸気圧により湯が上昇し、粉と混ざって抽出が行われる→一定時間浸漬後に火を外すとフラスコ内が減圧され、上がっていた湯がフィルターを通ってろ過され下に落ちる。ガスバーナーやアルコールランプを使う直火式の他、初心者にも扱いやく安定しやすい電気式のサイフォンもある。
サスティナブルコーヒー 周囲の環境に負担をかけず、永続的にコーヒー豆を生産するためにさまざまな認証団体が活動している。熱帯雨林保護を目指すレインフォレストアライアンス、渡り鳥の生育環境保護の観点に留意したコーヒー豆に認可されるバードフレンドリーなどがある。
サビ病 コーヒーの葉に菌が付着して穴があき、やがて枯れる病気。雨季に発生しやすく、伝染率が高い。サビ病によって全滅した品種もある。
シアトル系 アメリカ・ワシントン州シアトルを中心とした西海岸から発展したカフェスタイル。浅煎りのまめで抽出するエスプレッソをベースとしたバリエーションコーヒーで人気。スターバックスやタリーズ、シアトルズベスト、ピーツコーヒー&ティーなどが代表格。
シェードツリー 日射量が多すぎるとダメージを受けるコーヒーの木に、適度な日陰を作る木のこと。バナナやマンゴーなど、生産性のある木を植えることも多い。シェードツリーを植えると面積あたりのコーヒー収穫量が少なるが、生物の多様性や自然な環境が保てるため、サスティナビリティにもつながる。
シルバースキン コーヒー豆の種子を包むようにして外側にある薄皮。精製過程で取り除かれる。
自家焙煎 生豆を自らの店で焙煎すること。
シティロースト 中煎りよりやや深めの焙煎で豆の色が濃い茶褐色になり、酸味が抑えられ、苦味が出てくる。
シナモンロースト シナモン色程度の浅い色付きの焙煎。酸味が特徴の味わい。良質なまめに適している。
スクリーン 生豆を大きさ別に分類する際に使用するふるい。穴の大きさ(スクリーンナンバー)が大きほど粒が大きい。
スチームドミルク エスプレッソマシンについているスチームノズルなどを利用し、蒸気によって温めた牛乳のこと。
ストレート 単品のコーヒー豆で淹れたコーヒーのこと。対義語は、複数種を混合したブレンド。
スペシャリティコーヒー 栽培過程を明確にし、産地ならではの風味や特徴を備えた高品質のコーヒー豆。日本スペシャリティコーヒー協会(SCAJ)では次のような定義を定めている。曰く、「消費者の手に持つカップの中のコーヒー液の風味が素晴らしい美味しさであること。おいさしさとは際立って印象的な個性や風味特性があり、爽やかな明るい酸があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。こうした素晴らしいおいしさである為には、生豆からカップまでの全ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底して行われることが必須である。
スマトラ式 インドネシア・スマトラ島の小農家で行われる、特殊な精製法。コーヒーチェリー を摘んだらすぐに果肉を除去し、1日ほど乾燥させたのちに再び脱穀して、水分値13%程度まで乾燥させる。
炭焼きコーヒー 焙煎の際、炭火でなされたコーヒーのことを指す。独特の香気をもち、愛飲者が多い。
生産処理 コーヒーチェリー の外皮、果肉、パーチメント(内果皮)、銀皮などの除去し、コーヒー豆を取り出す作業のこと。おもな方法として、ウォッシュド(水洗式)、ナチュラル(非水洗式)、パルプドナチュラル(半水洗式)がある。
精製 収穫したコーヒーの実から外皮、果実、内果皮、銀皮などを除去して、焙煎前の生豆の状態にするプロセスのこと。ウォッシュトとアンウォッシュト などの方法があり、それぞれに風味が異なる。
霜害 コーヒーは標高1000m以上の高知だ栽培されるものも多く、それだけに霜が降りることもある。霜による被害を受けると、一夜にして枯死してしまうコーヒーも。8月前後のブラジルで発生することが多く、各国のコーヒー需要に影響が出る。
精製選方法 コーヒーの実から種子を取り出す作業。ウォッシュド(水洗式で脱肉し、粘液質を発酵させてから水洗いして乾燥)・ナチュラル(チェリーの状態で自然乾燥させる=ドライチェリー)・パルプドナチュラル(水洗式で脱肉し、粘液質が残ったまま乾燥させる)などの方法で外皮、果肉、粘液質などを除去した上で乾燥し、ドライチェリーまたはドライパーチメントのまま出荷を待つ、コーヒー豆の香味を左右する重要な工程。
代用コーヒー コーヒー以外の材料で、コーヒーに似せて作った飲み物。日本では戦時中、大豆やユリの根、どんぐり、つくばねなどを煎ってコーヒーの代わりにしていた。
ダッチコーヒー 水で抽出するコーヒー。水出しコーヒーとも呼ばれる。戦前のオランダ領で、雑味のあるロブスタ種(カネフォラ種の一種)を飲むために考えられたとも伝わる。水で8時間〜12時間ほどかけて抽出する。苦味が抽出されにくいためまろやかな味になる。深煎りのコーヒーを使わないと、酸味ばかりのコーヒーになってしまう。
ダブル焙煎 焙煎を二回にわたって行うこと。含水量がととのい、均一に色が揃った焙煎になるが、香味が平坦になるともいわれる。
タンパー エスプレッソマシン のフィルターバスケットに粉を押し固めるための器具。さまざまなメーカー、デザインのものがあり、こだわりのタンパーを持つバリスタも多い。
タンピング エスプレッソマシンのフィルターにコーヒー粉を詰め、タンぱーで押し込むこと。エスプレッソの味が大きく変わるため、バリスタの腕の見せ所でもある。
ティピカ エチオピア原産で「在来種」といわれる最も古い栽培品種のひとつ。世界中で広く栽培されており、多くの交配種が生まれている。
デザインカプチーノ エスプレッソにフォームドミルク を注ぎ、楊枝などを使って模様や絵を描いたもの。チョコレートシロップなどを使って描く方法もある。
デミタスカップ フランス語で「半分」を意味する「デュミ」(demi)と「コーヒーカップ 」 (tasse)がくっ付いた名前。その名の通り、通常の半分の容量の小さなカップ。エスプレッソを飲むときにも使用される。イタリア・ローマの老舗「カフェ・グレコ」が発祥とも。70〜80cc入るものが基準となっている。
テロワール 土地の風土性のこと。土壌や気象など、畑を取り巻く環境がスペシャリティコーヒーの風味に反映される。
等級 生産国ごとに設けられたコーヒー豆の格付けのこと。おもに豆の大きさや形などの外観と風味の2つの要因から決められる。生産国ごとに異なる基準が設けられる。
ドリップ ペーパーフィルターやネルなどを用いてこす抽出方法。抽出したコーヒーをドリップコーヒーと言う。
ドリッパー コーヒーを抽出する器具。ドリップ式(ペーパー、ネル、ステンレスフィルターが付いた陶製のもの、シリコン製のものなど)、サイフォン式、プレス式などがある。
トルコ式コーヒー イブリックで煮出して抽出し、その上澄みを飲み、イスラム圏の伝統的な飲み物。
トレーサビリティ 食の安全が叫ばれるようになって生まれてきた言葉。Trace〈追跡〉とAbility〈可能〉という2つの言葉を組み合わせたもので、生産や流通の履歴の開示などを示す。コーヒー農園の栽培状況や農園の種類などの情報開示も指している。コーヒーのトレーサビリティが問われるようになったのは、これにより認証コーヒーという概念などが誕生したといえるだろう。
ナチュラル コーヒーの実から果肉などを除去する生産処理法の一つ。収穫した実を粗選別してからそのまま天日乾燥(または機械乾燥)させて、果肉とパーチメントを一度に除去する。作業工程が単純で、ウォッシュドとは違うフレーバーが得られるが、未熟豆や異物の混入が多いなどいった難点がある。
ナッティー ローストした豆類のような香ばしい風味を表す味覚用語。
生豆 コーヒーの実を精製選し、果皮、肉果皮(パーチメント)を取り除いた状態のもの。焙煎する前のコーヒー豆。グリーンコーヒーなどとも呼ばれる。
ニュークロップ その年に収穫、出荷されたコーヒー豆のこと。含水量が多く香味が強い。
認証コーヒー 環境保護、生産者支援などの目的により、非営利団体や第三者機関が一定の査定方法で評価し、合格承認したコーヒー。レインフォレストアライアンスやバードフレンドリー、フェアトレード、フェアトレード、グッドインサイド、有機栽培コーヒーなどがこれにあたる。
ネルドリップ ネルとは起毛した織物、フランネルのこと。このネルで作られた布製のフィルターでコーヒーを抽出すること。豆の持つ味わいを引き出しつつ、微粒子をフィルターに留めることで、滑らかな舌触りでコクのあるコーヒーが楽しめる。ペーパードリップ よりも目が粗いので、油脂などの成分が抽出される。
パーコーレーター ポット型の循環式抽出器具のこと。付属のバスケットに粉を入れて火にかけると、蒸気圧によりお湯が循環して次第に濃くなっていく。コーヒーの色は濁るが、手軽さからアウトドアシーンで使われることが多い。
パーチメント 銀皮と果肉の間にある、茶褐色の内果皮のこと。これをつけたまま乾燥させた豆をパーチメントコーヒーという。風味の劣化が少ないため、産地ではそのまま取引され、貯蔵される。
バール イタリアでエスプレッソなどの立ち飲みする飲食店。
焙煎 生豆をから煎りし、独特の香味を引き出す。何度の熱に何分さらされたかで香り、味わいがきまる大切な作業。ロースター豆卸業者の他、小売をするビーンズショップや喫茶店などもでも行われる。直火焙煎、熱風焙煎、遠赤外線焙煎、マイクロ波焙煎などさまざまな焙煎方法がある。一般的な直火焙煎では、10~20分程度の焙煎時間が必要。ローストは大きく分けると、浅煎り、中煎り、深煎りの3つに別れるが、さらに細かい分類では、「ライトロースト 」「シナモンロースト」「ハイロースト 」「シティロースト」「フルシティロースト 」「フレンチロースト 」「イタリアンロースト」の8つに分かれる。
ハゼ 焙煎している途中に出る「パチパチ」といった音。1度目のハゼを「1ハゼ」、2度目を「2ハゼ」と呼び、焙煎度の目安になる。
ハイロースト 中煎り。豆が栗色になった段階の焙煎。酸味と苦み、甘みのバランスが取れてくる。
バリスタ イタリアのバール(Bar)でサービスをする人(~ista)の意。イタリアのバールでは日中にエスプレッソを提供したり、これを使った飲み物を提供する。そのことから、最近ではエスプレッソを淹れる人や、エスプレッソ系の飲み物を販売するコーヒーショップで働く人、という意味でも使われている。
ハンドピック 出荷前に脱穀して、生豆の状態で重さやサイズ、欠点豆などの選別を行った後、更なる品質向上を目的として人の手で異物や未熟豆などを取り除く作業。また、焙煎後に人の手で欠点豆を取り除く作業もこう呼ぶ。
バール イタリアで日中にエスプレッソなどを提供するコーヒー立ち飲み店のこと。日没後はアルコールも提供する。
ビーンズショップ 生豆を仕入れ、焙煎して小売する小〜中規模の店のこと。
ピーベリー 通常2粒の種子が向かい合ってひとつの果実に収まっているが、まれに種子が1粒だけのものがあり、その豆をこう呼ぶ。通常のコーヒー豆より丸みを帯びた形状をしている。
挽き方 焙煎した豆を砕いて粉にすること。挽き方には、おもに「極細挽き」「細挽き」「中細挽き」「中挽き」「粗挽き」の五段階がある。コーヒーは粉にすると急速に酸化が進み、鮮度が落ちるので、必要な量だけ挽くのが基本。
フォームドミルク 蒸気やミルクフォーマーなどにより泡立てられた温かい牛乳。
ブラジリアン・アンド・アザーアラビカ コーヒー豆の商業取引上の分類用語。コロンビアマイルド、アザーマイルド以外のアラビカ種。
フェアトレードコーヒー 主に発展途上国で生産され、先進国で消費されるコーヒーの栽培環境・生産者の生活を守るために、投機相場などに左右されない公平な交易・収益を目指すコーヒー。認証団体により認可される。
ブラックコーヒー ミルクやクリームを入れずに飲むコーヒーのこと。
フラットホワイト エスプレッソにフォームドミルク を注いだもの。ラテよりフォームの量が少ない。
フラットビーン 隣に合った面が平らなことから、平豆と呼ばれる。ごく普通のコーヒー豆のこと。
ブルボン ティピカ種の突然変異で、ブラジルコーヒーの原型といわれる。ティピカとともに二大栽培品種として知られる。豆は小さめで長方形を思わせる形をしてる。
フレーバーコーヒー レギュラーコーヒー に、シナモン、チョコレート、アーモンドなど様々な香りを加えたもの。
フレグランス 香り。カッピング の際は、コーヒー粉の香りのことをさす。
プレミアムコーヒー 地域特性や生産履歴などが比較的明確な品質のよいコーヒー豆のこと。
ブレンド 複数種のコーヒー豆を配合すること。またその粉で淹れた温かいコーヒーのこと。対義語はストレート。コーヒー本来の味を楽しむならストレートがお勧めだが、ブレンドにすることで、ストレートでは出せない複雑な味わいや深みを堪能することができる。
フルシティロースト やや深煎り。豆の色が濃い茶褐色になり、少し焦げたような香ばしいロースト香が特徴。モーニングコーヒーや食後のコーヒーに最適。
フレンチロースト 深煎り。苦味とコクがしっかりと感じられる味わい。アイスコーヒーに最も適しいるとされる焙煎で、カフェオレにするとコーヒーかんがしっかり楽しめる。
フレンチプレス プランジャーポット、カフェプレスとも。コーヒー粉を入れ、粉が浸るほどの湯を淹れて蒸らし、その後全量の湯を注ぎ2分〜3分置いてからフィルター部分を押し下げて抽出する。手軽に美味しいコーヒーが淹れられる抽出方法。
ベトナムコーヒー フランス領時代のベトナムに伝わった金属製の組み合わせ式フィルターカップを使う。たくさんの穴が空いたこのフィルターに、粗挽きした深煎りの粉と湯を入れ、カップに乗せて5分〜10分かけて抽出する。あらかじめ練乳を入れたカップに落とすのが一般的。
ペーパードリップ 紙製のフィルターを使う抽出方法。クリーンな香味のコーヒーになるのが最大の特徴。
ペネイラ 収穫の際、異物を取り除くために使う丸い網のこと。ポルトガル語で「ふるい」の意。
ボディ コーヒーの味覚用語。口当たりや味の重さ、舌触りなどをさす。
水出し ウォータードリップとも呼ばれる抽出方法。コーヒー粉に3秒に2滴ほどのゆっくりとしたスピードで冷水を落として、しみ込ませながら抽出していく。時間はかかるが、熱を加えない分コーヒー自体の味が楽しめる。抽出時間は6〜8時間かかるので、前の晩からセットしておこう。マイルドな風味が特徴。
マキアート フォームドミルク にエスプレッソを注いだもの。イタリア語で”しみ”の意。エスプレッソの跡がしみのように見えることから名づけられた。
マネキッタ 直火式エスプレッソメーカーのこと。直接日にかけて発生した蒸気を利用する。小型ポットのような筒の中心に、粉を入れるバスケットがあり、ポットに入れた水が沸くと蒸気圧で湯がバスケットに上がり、抽出されたコーヒー液がノズルを通って上部に溜まる仕組み。
マラゴジッペ ブラジルで発見された、ティピカの突然変異で生じた品種。非常に大きく、長さもあり幅も広い。ジャイアントビーンとも呼ばれる。
ミディアムロースト 普通煎り。口当たりが柔らかく、コーヒーそのものを味わうのに適している。
ミューシュレージ コーヒー豆の、パーチメントの外側に付着している粘着質のこと。
ミル(グラインダー) 焙煎したコーヒー豆を抽出器具に適した大きさに挽く機械。挽き方により粗さが変わり、同時に味わいも変わる。通常のドリップコーヒーの場合は中挽き程度が適正。少量を手挽きする家庭用のもの、電動で素早く均一に挽ける置き型タイプ、業務用の大型のものなど様々な種類があり、コレクターズアイテムも多い。
ミルクジャグ コーヒーを提供する際にミルやクリームを入れる容器。または、エスプレッソマシン 付属のスチームノズルなどを使ってフォームドミルク を作るときに使う専用容器。
ミルクフォーマー カプチーノやカフェラテに入れるための牛乳を泡立てる器具。電動と手動がある。
メインストリームーコーヒー 価格優先で取引される、流通量の多い汎用コーヒー、コマーシャルコーヒー。
メッシュ コーヒー粉の粒を均一にするためのふるい。また、その目の大きさ、粉の粒の粗さを呼ぶこともある。
メリタ式ドリッパー ひとつ穴のペーパードリッパー。1908年にドイツに住む婦人メリタ・ベンツがペーパードリップ式を考案し、1960年にひとつ穴に改良。蒸らしを除いて1回で抽出する淹れ方に影響されにくいので、湯温さえ間違わなければ安定した均一な味わいに。
モカ アラビア半島の旧モカ港から出荷されたことに由来した、エチオピアとイエメンの2国で生産されるコーヒー。日本で輸入される豆のほとんどはエチオピア 産。
ライトロースト 最も浅煎り。強い酸味が特徴の味わいで、さっぱりしたアメリカンコーヒー向き。以前はアメリカンローストとも呼ばれていた。
ラテアート エスプレッソをベースにする飲み物の表面に、コーヒー液とスチームドミルク双方の色を利用して絵柄を描くこと、またその絵柄。バリスタたちが卓越した技を競う競技会が盛んに行われるほどの人気ジャンルで、新たなカフェ文化の一つとして定着している。リーフやハートを描くのが定番。
リキッドコーヒー 抽出したコーヒー液のこと。紙パックやボトル入りなどで販売され、濃縮ではなくそのまま飲むタイプのもの。
リストレット エスプレッソの用語。お湯を早めにきり、エスプレッソの一番美味しいところのみを淹れたもの。
リベリカ種 アフリカのリベリア産の品種。アラビカ、ロブスタと並んでコーヒー3原種とも呼ばれているが、生産地も全体の約1%と少なく、産地で消費されるものがほとんどで市場では希少。苦味が強く先端は尖った菱形である。現在、西アフリカの一部の国で少量生産されている程度で、日本ではほとんど流通していない。
レギュラーコーヒー インスタントや缶コーヒーと区別する呼称で、豆から抽出して飲むコーヒーのこと。
レインフォレスト・アライアンス 1987年に地球環境保全のため、熱帯雨林を保護することを目的として設立された非営利環境保護団体。自然保護、耕作方法、労働環境など独自の基準をクリアした農園おコーヒーは、レインフォレスト・アライアンス認証コーヒーとして、認められる。
ロースター 生豆を仕入れ、豆の特徴や顧客の要望により様々な具合に焙煎する人、コーヒー豆卸業者。焙煎した豆を小売するビーンズショップを兼ねる場合も多い。
ロブスタ種 正式には「カネフォラ種ロブスタ」という。アフリカのコンゴが原産とされている。全生産量の20%〜30%を占めている。アラビカ種に比べ、成長が早く、病気や害虫にも強い品種。抽出すると水溶性成分やカフェインが多く出るのが特徴で、インスタントコーヒーや安価なレギュラーコーヒー に使われることが多い。特有の匂いがあり、酸味は弱く苦味は少ない。
ワイニー 味覚用語。ワインのような風味。
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