みなさんはカッピングというのをご存知でしょうか??
カッピングはコーヒー流通のさまざまな過程で行われています。どういった場で、どのように行われるのでしょうか?
今回はカッピングのやり方、基礎知識を紹介します!!
ワインにおけるテイスティングのように、コーヒーが持つ風味特性(ポテンシャル)を判定、識別し、その品質を客観的に評価することを、コーヒーの世界では「カッピング」と呼びます。
コーヒーの生産地・生産国では消費国への輸出に向けた品質チェックのために、消費国では生豆輸入業者や小売店が購入を決める際にと、カッピングはさまざまな場面で行われます。
なかでもスペシャリティコーヒーを扱う商社や小売店では、その際立つ風味特性を的確に評価してよりよいコーヒーを仕入れるため、日々カッピングの修練を積んでいるところも少なくありません。
カッピングの方法を簡単い言うと、豆を挽いてお湯を注ぎ、香りや味をチェックするというもの。国や団体別にさまざまな評価方式があり、それぞれ規定されたカッピングフォームを用いて採点評価が行われます。
このように、カッピングは本来、コーヒー業界のプロが扱う商品を評価するために行う作業ですが、手順自体は家庭にある道具を使って簡単にできます。カッピングをマスターし、さまざまなコーヒーを評価すれば、自分の好みの味や種類が分かってコーヒー選びももっと楽しくなるでしょう。
現在、世界で多く流出し、汎用品とされるコマーシャルコーヒーは、欠点豆の混入率が高いため、これを評価するカッピングでは欠点チェックを重視します。一方、2000年以降普及したスペシリティコーヒーを評価するカッピングは、コマーシャルコーヒーのそれとは対極にあります。スペシャリティコーヒーはもともと欠点豆の混入率が低いため、カッピングではカップクオリティ(コーヒーの液体の風味の特徴)を評価します。
世界でスペシャリティコーヒーの競技会や品評会が盛んに開かれるようにんり、コスタリカやパナマなど、それまで欠点チェック方式を導入していた国々や団体にもスペシャリティコーヒーのカッピング方式は波及し、現在も広がりを見せています。
品質管理が目的の欠点チェック方式
従来のカッピングは、ブラジルのカッピング方式を基本とした欠点チェック方式。この方式は異質な味やニオイなどの欠点チェックを重視するもので、それによって輸出規格に適合するかどうか、品質管理することがおもな目的である。ブラジルやコロンビアをはじめとするコーヒー生産国では、現在も欠点チェック方式を最重視している。風味の欠点を厳密にチェックするものや欠点豆を外見から厳しくチェックするものなど、カッピングにおける評価基準は国によってさまざまです。
おいしさを評価する「SCAA方式」と「COE方式」
スペシャリティコーヒーのカッピングでは、おもに2つの評価方式が使われている。アメリカスペシャリティコーヒー協会(SCAA)による「SCAA方式」と、カップ・オブ・エクセレンス(COE)による「COE方式」である。
SCAA方式は個々のロットやサンプルを評価するものだが、COE方式はコンペティション(品評会)で使用できる評価方式で、SCAA方式を基に発展した。両者は評価項目や点数の尺度などが少しずつ異なるが、どちらも”消費者の側に立ったコーヒーのおいしさを評価する”ためにあることに変わりがない。なお、日本スペシャリティコーヒー協会(SCAJ)は、COE方式を公式に採用している。
COE方式、評価ポイントは8項目 多様な風味を持つほどよい
コーヒーの世界ではカッピングをする人をカッパーと呼びます。彼らがカッピングをする際に使用するのが、カッピングフォームといわれる書き込み式の採点シートです。プロの現場では公平性を期すために複数のカッパーが集まってカッピングを行います。そして、点数を集計し、平均をとったものがそのコーヒーの評価になります。
SCAJが準拠するCOE方式は、前述の通りスペシャリティコーヒーを対象とした評価方式です。この方式での評価ポイントは、フレーバー、甘さ、カップのきれいさ、酸の質、後味の印象度、口に含んだ質感、ハーモニー・均衡性、総合評価という8つの項目です。項目それぞれは8点満点(計64点)で、それに定数36点を加えて100点。さらにそこからマイナス点を引いたものが評価の最終的な点数になります。いろいろな風味を持つほどよいコーヒーで、カッピングの得点が高いほど栽培地域の特性(テロワール )がしっかりと表現されていると言えます。
8項目のうち、フレーバー、甘さ、カップのきれいさ、総合評価の4つは、カッピング初心者でも比較的容易に感じ取ることがのできる基礎項目です。まずはこの4項目を捉えることから始めましょう。
1.フレーバー
味と香りを総合した印象のこと。質、強度、複雑さなどを評価し、複雑であるほど評価は高くなる。「花のような香り」や「チョコレートのような味わい」のように植物や食べ物にたとえて表現することが多い。
2.甘さ
豆がよい環境で育ち、適切に精製処理されたことの表れが”ほどよい甘み”である。口の中で甘さの感覚がどのように広がり、持続し、消えていくか、あるいは感覚が現れてこないかを評価。辛さのある苦味や刺激的な酸味、渋味があるとこれが感じにくい。
3.カップのきれいさ
カップとは容器のことではなく、抽出したコーヒーのこと。濁りや雑味がなく”透明性”があるかをみる。濁りや雑味があると、栽培地域の特性(テロワール )が隠れて正しく感知できない。甘味と同様、豆がよい環境で育ち、適切に精製処理されたことの表れと言える。
4.総合評価
フレーバーの複雑さや立体感、奥行きがあるか、あるいは単純でも心地よいコーヒーであるかを判定する。この項目では、カッパー自身の好みか否かという嗜好も加味してよい。
5.酸の質
良質の酸味はコーヒーに生き生きとした印象を与えるもの。酸の明るさやさわやかさ、繊細さなどを評価する。反対に、刺激的でいやな酸味やキレのない酸味はマイナスポイントになる。
6.後味の印象度
コーヒーを飲んだ後で持続する風味のこと。アフターテイストともいう。”口に残るコーヒー感”が甘さの感覚で消えてゆくか、あるいは刺激的でいやな風味が残るかで判定する。
7.口に含んだ質感
口に含んだときに感じられるねばりけや濃さ、舌ざわりの滑らかさなどを指す。感触の強さではなく質を評価する。ある程度の時間、コーヒー液を口の中に含んだほうが感じ取りやすい。
8.ハーモニー・均衡性
風味で何か突出したり欠けたりしているもはないか、心地よいハーモニーであるかなど、調和とバランスを評価する。
SCAA方式の評価項目は11項目。CEO方式と項目数は違うが、どちらも風味の特徴、おいしさ、印象度を主たる評価対象とすることに変わりない。
SCAA方式の場合1項目最高10点で①〜⑨と11の合計で100点となり、そこから10を引いたものが最終的な点数。なお、スペシャリティクラスの豆が前提で審査されるため、7〜9は10点満点になることが多く、10は出る事例が少ない。
1.フレグランス /アロマ
フレグランス はコーヒー粉の香り、アロマは注湯後のコーヒーの香り
2.フレーバー
口に含んだときに感じる香りと味
3.アフターテイスト
後味の印象。口の中に残る風味。
4.アシディティ
風味を形成する酸味の質と強さ。
5.ボディ
口に含んだときのコクや重量感。
6.バランス
フレーバーやアフターテイストなどの要素の調和。
7.ユニフォーミティ
サンプル5カップのフレーバーの統一性。
8.クリーンカップ
濁りや雑味のなさ、味の透明性。
9.スウィートネス
口の中でほのかに感じる甘み
10.ディフェクト
いやな香りや味などの欠点
11.オーバラル
サンプルに対する、カッパーの個人的な総合評価。
以上カッピングについて紹介してきました。
高品質のコーヒーを提供するには欠かせない行為ですね。
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では。
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