最近注目を集めている「スペシャリティコーヒー」は、1970年代にアメリカで始まった「飲んで美味しい」と評価されるコーヒーに対する呼称です。当初は基準なども漠然としていましたが、1982年にアメリカスペシャリティコーヒー協会が設立され、その後カッピングという官能検査で、スコアが100点満点のうち80点以上のものがスペシャリティに認定されるようになりました。その定義とは、「生産履歴が明確でしっかりと管理された高いクオリティを有し、際立つ風味特性を持つ美味しいコーヒー」でありこと。他には、スペシャリティコーヒーとは異なる評価の軸で、プレミアムコーヒー やコマーシャルコーヒー、ローグレードコーヒーなどが選ばれます。
日本スペシャリティコーヒー協会(SCAJ)によるスペシャリティコーヒーの定義
・消費者(コーヒーを飲む人)が手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。
・風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒーかんが甘さの感覚で消えていくこと。
・カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において、一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。
カップクオリティの評価の概要
1.カップクオリティのきれいさ
風味に汚れや欠点が全くなく、透明性があること。
2.甘さ
コーヒーの実が収穫された時点の熟度のよさと、その均一性が直接関係する甘さ。
3.酸味の特徴評価
酸度の強さではなく、質について評価する。
4.口に含んだ質感
コーヒーにより伝えられる触覚。質感の品質を評価する。
5.風味特性・風味のプロフィール
味覚と嗅覚で感じる栽培地域の風味の特性。最も重要な項目
6.あと味の印象度
コーヒーを飲み込んだ後に持続する風味、香りの特性。
7.バランス
風味で何か突出していたり、欠けていたりすることがなく、調和が取れているかどうか。
生産国が定めている3つの品質基準
コーヒー豆を買いに行った際、「コロンビア スプレモ」や「パナマ エスメラルダ ゲイシャ 」など、生産国名のあとに続くその名称が何を意味しているのか、疑問に思ったことはありませんか?これがわかると豆選びの目安となり、購入の際に役に立ちます。
コーヒー豆の銘柄名は、生産国名の後に「グレード(品質の等級)」「生産地区・農園名」「品種」「精製方法」などを組み合わせたものが多くみられます。先の「コロンビア スプレモ」なら生産国名とグレード、「パナマ エスメラルダ ゲイシャ 」なら生産国名と農園名、品種名の組み合わせです。
コーヒー豆のグレードの評価方法
コーヒー豆のグレードの評価方法は「産地高度」「スクリーン」「欠点数+スクリーン」の3つがあり、多くの生産国ではこのいずれかを採用しています。
「産地高度」は栽培地の標高。朝夕の温度差が大き高地で栽培されたコーヒーほど質が高いことに由来します。グアテマラ ならSHB、エルサルバドルならSHGが、産地高度において最高を意味します。
「スクリーン」は豆のサイズのことで、大粒の豆ほど高品質とされます。コロンビアの豆はスプレモとエクセルソの名称で大きさが分けられ、前者のほうが上質と言われています。
「欠点豆+スクリーン」は、欠点豆などの異物混入率と豆のサイズによる評価。ジャマイカブルーマウンテンなら、No.1という分類が異物の混入が少なくて粒の大きい最高グレード。次いでNo.2、No.3と続きます。
産地高度によあるグレード
生産国名 | おおよその標高 | グレード |
🇲🇽メキシコ | 1000~1600m 700~1000m | アルトゥーラ プライム ウォッシュド(PW) |
🇬🇹グアテマラ | 1300m~ 1200~1300m 900~1050m | ストリクトリーハードビーン(SHB) ハードビーン(HB) エクストラプライム ウォッシュド(EPW) |
🇸🇻エルサルバドル | 1200~ 900~1200m | ストリクトリー ハイグロウン(SHG) ハイ グロウン(HG) |
🇨🇷コスタリカ | 1200~1700m 800~1200m | ストリクトリーハード ビーン(SHB) ハード ビーン(HB) |
スクリーンによるグレード
生産国名 | スクリーンサイズ | グレード |
🇨🇴コロンビア | S17(6.75mm)~ S14(5.5mm)~S16(6.5mm) | スプレモ エクセルソ |
🇹🇿タンザニア | S17(6.75mm)~ S15(6mm)~S16(6.5mm) | AA AB |
スクリーンサイズと欠点数によるグレード
生産国名 | スクリーンサイズ | 欠点数 | グレード |
🇧🇷ブラジル | S17(6.75mm)~S18(7mm) S14(5.5mm)~S16(6.5mm) | ~11 ~36 | タイプ2 タイプ4/5 |
🇯🇲ジャマイカ (ブルーマウンテン) | S17(6.75mm)~S18(7mm) S16(6.5mm)~S17(6.75mm) S15(6mm)~S16(6.5mm) S16(6.5mm)~S17(6.75mm) | ~2% ~2% ~2% ~4% | No.1 No.2 No.3 トリエイジ |
ブラジルはさらにカップ(味)の評価も
ソフト | 異味異臭がなく、やわらかな感じ |
ハード | 青臭いような酸味や渋味があり、舌ざわりがわるい |
リオイ | 薬品のようなにおいがする |
リオ | リオイよりもさらに薬品臭が強いもの |
生産国名 | スクリーンサイズ | 欠点数 | グレード | |
🇮🇩インドネシア(ナチュラルの場合) | ラージ(7.5×7.5mm~) スモール(3×3mm~) | + | ~11 ~25 ~44 ~88 ~150 | グレード1(G1) グレード2(G2) グレード3(G3) グレード4(G4) グレード5(G5) |
生産者と消費者を守る人と環境に優しいコーヒー
「持続可能なコーヒー」と訳されるサスティナブルコーヒーは、価格変動や労働者の人権・生活保障、環境保全などコーヒー生産国の問題を解決し、生産者と消費者がともに反映することを目的に誕生しました。生産国のこのような問題の解決に貢献する形で生産され、流通するのがサスティナブルコーヒーです。コーヒー産業全体が健全に持続することに寄与するコーヒーという意味も含まれています。
サスティナブルコーヒーの判断には、トレーサビリティ (生産履歴)や環境保全、労働者の人権問題などをチェックする中立的立場の目が必要です。各国にはサスティナブルコーヒー支援に取り組む様々な団体があり、独自の基準でチェックを行い、独自の基準でチェックを行い、それをクリアしたものには、「認証コーヒー」の名でお墨付きを与えています。
国際的な品評会カップ・オブ・エクセレンス
カップ・オブ・エクセレンスとは、1999年にブラジルで始まった国際的な品評会です。その年、ブラジルにアメリカ、ヨーロッパ、日本から国際審査委員が招かれ、コーヒーのコンペティションが開催されました。そのうちトップ10に選ばれてコーヒーのロットを、インターネットオークションにかけ他のが始まりです。このオークションが大成功に終わり、カップ・オブ・エクセレンスのシステムが広く普及していったのです。
現在、開催国はブラジルのほか、ニカラグア、エルサルバドル、ホンジュラス 、コロンビア、グアテマラ、ルワンダ、コスタリカの9カ国(年度により変更あり)。各生産国で一年に一度開催され、その年に収穫された豆の中から最高の品質(トップ・オブ・ザ・トップ)が選ばれるのです。
審査はさまざまな形で行われます。最終段階では国際審査員によるカッピングが行われ、酸の質や甘さ、カップのきれいさ、口含んだ質感、風味特性、あと味の印象度、バランスなどの項目を点数で評価します。その結果、合計84点以上の豆には「カップ・オブ・エクセレンス」の称号が与えられ、インターネットオークションを通じて、国内外の輸入業者やロースターに販売されます。
この取り組みはおいしい豆の発掘だけではありません。小さな農園でも良質な豆を作れば正当に評価し、それに見合った金額を支払うことで、生産者の意欲向上や生活を助ける意義もあるのです。
まとめ
以上コーヒー豆のグレードやクオリティについて紹介してきました。
スペシャリティコーヒーにとってこういった情報の記載は品質の保証であり、より良いコーヒー社会を持続するのに必要なことなのです。
毎年クオリティの高いコーヒーが各国で生産されていますので、気になったら取り扱ってるお店なので聞いてみるのもいいですね。
コーヒーを購入する際によかったら参考にしてみてください。では。
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