いろんな国でいろんなコーヒーが作られている現在、それぞれが味、香り、苦味などのバランスが違い特徴あるコーヒーを作っています。
中にはなんとなく聞いたことのある名前のコーヒーもあると思います。
今回はそれぞれの産地と特徴をお伝えします!
コーヒーは、植物学的には「アカネ科コフィア属」に分類される樹木の種子が原料です。たくさんの「種」がある植物ですが、商業的に使われるものは「アラビカ種」「カネフォラ種」の2種に限られています。直近のデータによる生産比率はアラビカ種:カネフォラ種で、およそ6:4。
アラビカ種は単体での飲用に適しているため、生産性向上や風味の改善を目的として品種改良が行われた結果、実に多くの品種があります。中南米、アフリカ、アジアなどで栽培されています。良質な酸味を持ち香味にも優れ、スペシャリティコーヒーは100%がアラビカ種です。ティピカ、ブルボン、ゲイシャ などが代表的な品種で、病気や害虫に弱く、一本の木からの収穫量もカネフォラ種よりも少なめです。
一方カネフォラ種は単体での飲用にはあまり適さないこともあって、品種もアラビカ種のように多くはなく、主に流通している「ロブスタ」という品種名が通称になっています。それなら聞いたことがあるという方もいるかもしれませんね。そして単体では飲まれないものの、独特の香りと強い苦味のある味わいから、アラビカ種とコーヒーとのブレンド用として使用され、パンチのある味わいを演出してくれます。
もう1つリベリカ種というのもあります。リベリアなどの西アフリカで栽培され、そのほとんどが国内消費され、市場に出回ることはありません。
コーヒー豆を栽培するためには環境的な条件が必要になります。
これらの条件を満たすのは、赤道を中心とした北緯25度から南緯25度までの間のエリアで、通称「コーヒーベルト」と呼ばれています。ここに位置する約70か国で、コーヒー豆は生産されています。
コーヒー豆の銘柄は、生産地から名付けられていることが多く、「ブラジル」「コロンビア」「グアテマラ」など国名がそのまま使われたり、産地や発信地となる山や港の名前が使われたりします。
世界トップクラス消費量を誇るブラジル。
生産量、輸出量ともに群を抜いた世界一の実力を誇るブラジル。コーヒー発祥の地とされているエチオピアから苗木が渡ったのは約300年前の1727年。その100年後に世界最大のコーヒー生産国となった。全体的に品質が高く生産の7割がアラビカ種。ここ数年国内でのカフェブームの影響でバリスタを目指す若者が増えており、農園は生産量だけでなく、高品質の豆を栽培することに力を入れている。
酸味が少なく、甘みのあるまろやかな味で、ナッツのような味わいと透明感のある後味が特徴です。特徴の薄い味と言われることもありますが、やわらかい味わいはブレンドのベースによく使われていて、飲みやすい味わいです。
コロンビアの生産者はほとんどが小規模で、その大半がコロンビアコーヒー生産者連合会という団体に加盟しています。そこから派遣されるアドバイザーのもと安定した品質のコーヒー豆を栽培しています。
コロンビアはコーヒー栽培に必要な温度、日照量、降雨量等の条件を満たした土地が多くあります。そのため、広い地域でコーヒーが栽培され、地域毎に個性が表れます。
なのでコロンビアのコーヒーを地域が違うものを集めて飲み比べてみたら味わいが少しずつ異なるのが面白いです。
一般的にコロンビアのコーヒーは酸味がしっかりしていて、程々の甘みが特徴です。ちなみに日本で有名なエメラルドマウンテンはコロンビアで作られる高級豆で、酸味と甘味と深いコクが特徴です。
ケニアの豆は全般的に品質が高い。特にヨーロッパで重宝され一級品として高値で取引されている。その理由は、早くから品種研究を重ねて整えた管理体制にある。種の段階から生産処理、テイスティングといった細部まで全てシステム的に管理。1年に2度雨季があり、収穫も年2回行われているが、11月から翌年にかけて収穫される方が評価は高い。
〈中深焙煎〉だと、カシスやブルーベリーのような甘みのある爽やかな味わい。まろやかな口当たりに上質の酸味なので芳醇さが感じられる。〈深焼き〉すると酸味が苦味に変わりビターでワイルドな飲み口になる。
タンザニアはアフリカ大陸にある国で、ケニアの隣国です。
ここで作られているコーヒーは日本ではキリマンジャロの名前で知られています。
実際はキリマンジャロのふもとで作られたコーヒーが「キリマンジャロ」なのですが、タンザニア産の高級コーヒーはほとんど「キリマンジャロ」を名乗っているそうです。
味わいは爽やかな酸味と優しいコクが特徴です。後味がスッキリしていて雑味がほとんどないので飲みやすいです。そのまま飲んでもミルクと合わせても美味しいコーヒーです。
ジャマイカのコーヒーと言えばブルーマウンテン。
ブルーマウンテンはジャマイカのブルーマウンテンエリアで栽培されているコーヒーです。ブルーマウンテンは出荷する時に樽を用いるのが印象的で、これは輸送時に発生する温度や湿度の変化を木材が調整してくれるというメリットがあるそうで、品質の維持にいいそうです。
卓越した香気を持ち、調和の取れた味わい、軽い口当りと滑らかな咽越しが特徴。
最高級の品質と呼ばれています。
「モカ」コーヒーで有名なエチオピア。
コーヒー発祥の地と言われるエチオピアは、人工のおよそ5分の1がコーヒーに関する産業に携わっていると言われていて、国内でのコーヒー消費量も高いです。
エチオピアのコーヒーは華やかな香り、酸味を伴う甘みとコクを有しています。
多くのお店で取り扱っている上、焙煎の仕方によって個性が出やすいエチオピア。
力強い味わいのコーヒーとして人気のある「マンデリン」。これはスマトラ島にいたマンデリン族という部族の名前が由来です。
他にも高級品とされる「トラジャ」や「コピ・ルアク」の生産地としても有名です。
大地を感じさせる力強いコーヒー。重厚感あふれるどっしりした苦味が特徴。従来強い酸味のある豆だが、深い焙煎で酸味を苦味に変えて楽しむ。穏やかな風味もある。苦味好きな方やミルクを入れて飲む方にファンが多い。味のアクセントにコクを加えるため、ブレンドに使用しても美味しい。
国土面積が日本の3分の1程にもかかわらず、中米随一のコーヒー生産国であるグアテマラ。国内にはいくつか生産地があり、中でも「アンティグア」はグアテマラ最古のコーヒー生産地として有名です。
味わいは、甘みが強いもの、フルーティーな酸味を持つもの、ほろ苦さと甘さを持ち、チョコレートのような後味をもつもの、等、味の幅が広いです。
色んなグアテマラを試してお気に入りのグアテマラを見つけてくださいね。
あまり聞き馴染みがない国かもしれませんが、中米のカリブ海に面したコーヒー生産大国です。生産されるコーヒー豆のポテンシャルは素晴らしいですが、インフラや降水量等に問題があり、なかなか品質の良い豆は流通していませんでした。ですが、近年は農園の努力もあり、品質の良い豆の流通も少しずつ増えています。
〈中深焙煎〉ではフルーツのような甘いフレーバーとキレのいい上質な酸味が味わえる。後味もスッキリしていて心地よい余韻が楽しめる。〈深焙煎〉では酸味が深い苦味に変わるので、深焙煎がオススメのブレンドに使用されることが多い。
コスタリカでは政府と生産業者で作られた組織、コスタリカコーヒー協会がコーヒー栽培を全面的にバックアップしています。その活動は多岐にわたり、研究農園の運営、コスタリカのコーヒーの宣伝、さらに小規模農園の保護等です。
また、コスタリカではロブスタ種の栽培が禁止され、現在栽培されているのはアラビカ種のみです。
コスタリカのコーヒー栽培で特徴的なのが、小規模農園と小規模精製所が多いこと。これにより、農園ごとの個性が発揮され、コスタリカで栽培されるコーヒーの約50%がスペシャルティコーヒー市場に輸出されてます。
さらに近年は生産者自らコーヒーの味見をするようになり、より良質なコーヒー栽培が行われるようになっています。
コスタリカのコーヒーは雑味が少なく、明るい酸味とまろやかな甘みがあります。
非常に強い酸味とコク・風味を持つ。
ブレンドに用いると良質な酸味が与えられると言われ、ブルーマウンテンに次ぐブランドで高価である。
イエメン内陸山岳地方(標高1000m~3000m)の段々畑で、モカは生産されています。降雨量の少ないイエメンには珍しく雨が多くい地方で、理想的な生産環境が整っています。イエメンにありがちな雑味は少なく、果実感のある風味が特徴的。口当たりはやさしく、アフターもやさしく甘いコーヒーです。
今回はこれらの国を紹介してみました。ここに書いた風味の傾向は僕の飲んだことのあるものや、一般に言われているものであり、実際は全く違った味わいのこともあります。
なので、実際に皆さんの舌で味わってみてください。その際に少しでもこの記事が参考になればと思います。では。
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