みなさんはTDSや収率という言葉を知っていますか??
コーヒー好きで、聞いたことはあるけど、なんのことかよくわからない人も多いと思います。
今回はTDSや収率について詳しく解説していきます!!
コーヒーのTDS(Total Dissolved Solids)とは?
TDS(Total Dissolved Solids)とは、「総溶解固形分」のことで、コーヒーの液体に溶け込んでいる固形成分の割合を示す指標です。これは、抽出されたコーヒーの濃度を測るための重要な指標の一つであり、コーヒーの味や抽出効率を評価する際に使われます。
TDSの具体的な意味
コーヒーは、水にコーヒーの成分が溶け込むことで作られます。TDSは、そのコーヒー液の中にどれだけの成分(コーヒーのオイル、糖、酸、カフェイン、タンパク質、ミネラルなど)が溶けているかを示します。一般的に、TDSは「%」または「ppm(parts per million)」で表されます。
例えば、TDSが 1.3% であれば、100gのコーヒー液の中に 1.3g の溶解成分が含まれているということになります。
TDSの測定方法
TDSを測定するためには、「屈折計(リフラクトメーター)」や「TDSメーター」を使用します。これらの機器は、光の屈折率や電気伝導度を測定し、コーヒー液の中に溶け込んでいる成分の濃度を数値化します。
TDS測定の手順
- リフラクトメーターを準備
事前に蒸留水でキャリブレーション(校正)を行う。 - コーヒー液を採取
抽出後のコーヒーを適量採取し、リフラクトメーターに数滴垂らす。 - 測定を行う
機器を使用してTDSを確認し、数値を記録する。
コーヒーのTDSの一般的な目安
抽出方法によってTDSの値は異なります。
抽出方法 | 一般的なTDS (%) |
---|---|
エスプレッソ | 7.0~12.0% |
ドリップ(ハンドドリップ、ペーパードリップ) | 1.15~1.45% |
フレンチプレス | 1.3~1.6% |
水出し(コールドブリュー) | 1.3~1.7% |
TDSの数値が 高いほど濃厚な味わい になり、低いほど軽やかでスッキリした味わい になります。
TDSと収率(Extraction Yield)の関係
TDSだけでなく、抽出率(Extraction Yield) という指標も重要です。
抽出率は、コーヒー粉からどれだけの成分が水に溶け出したかを示し、以下の計算式で求められます。
抽出率(%)=(TDS(%)×コーヒー液の重量(g)/ 使用したコーヒー粉の重量(g))×100
この式は、コーヒーのTDSと抽出量から、コーヒー粉からどれだけの成分が水に溶け出したか(抽出率)を計算するものです。
理想的な抽出率 は 18~22% の範囲内とされています。
- 18%未満 → 抽出不足(アンダーエクストラクション)で酸味が強くなる。
- 22%以上 → 過抽出(オーバーエクストラクション)で苦味や渋みが強くなる。
TDSを活用したコーヒーの味の調整
TDSを調整することで、理想的な味わいのコーヒーを作ることができます。
TDSを上げる方法(濃くする)
- コーヒー粉の量を増やす。
- 抽出時間を長くする(フレンチプレスなど)。
- 細挽きにする(粒度を細かくする)。
- 湯温を高めに設定する。
TDSを下げる方法(薄くする)
- コーヒー粉の量を減らす。
- 抽出時間を短くする。
- 粗挽きにする。
- 湯温を低めに設定する。
Brix(ブリックス)とは?
Brix(ブリックス)は、液体中の糖度(溶解物質の濃度)を示す単位です。
もともとは糖度(果汁中の糖分の割合)を測るために使われていましたが、コーヒーの抽出においても濃度の目安として活用されています。
**屈折計(リフラクトメーター)を使用して測定し、数値は%(パーセント)**で表されます。
Brixの基本的な意味
- 1 Brix(°Bx) = 液体100g中に糖が1g含まれている状態
- コーヒーの場合は、糖だけでなく、オイル、タンパク質、ミネラルなどの溶解成分が含まれますが、Brix値を濃度の目安として利用します。
コーヒーにおけるBrixの目安
コーヒー液のBrix値は、抽出方法によって異なります。
TDS(総溶解固形分)の測定にも応用できます。
抽出方法 | 一般的なBrix(%) |
---|---|
エスプレッソ | 8.0 ~ 12.0% |
ハンドドリップ | 1.2 ~ 1.6% |
フレンチプレス | 1.4 ~ 1.8% |
水出し(コールドブリュー) | 1.3 ~ 1.7% |
BrixとTDSの違い
- Brix:屈折率を基にした溶解成分の濃度を測定。主に糖度を測るが、コーヒーにも使える。
- TDS:電気伝導率や重量測定で液体中の溶解固形物を測定する。コーヒーの成分を正確に数値化できる。
一般的に、TDS ≒ Brix × 0.85 という換算式が使われますが、あくまで目安です。
Brixを測定するメリット
- 抽出の一貫性が向上する
数値化することで、毎回同じ濃度のコーヒーを再現できます。 - 味の調整がしやすくなる
濃度が高ければ濃厚な味、低ければ軽やかな味を目指せます。 - ブレンドや抽出レシピ開発に役立つ
理想のBrix値を見つけることで、ブレンドの配合や抽出法の工夫ができます。
まとめ
- TDS(Total Dissolved Solids)は、コーヒーの液体に溶け込んでいる成分の割合を示す指標 であり、コーヒーの濃度を測定するのに使われる。
- 測定にはリフラクトメーターやTDSメーターを使用 し、エスプレッソなら約7~12%、ドリップなら1.15~1.45%が一般的な範囲。
- TDSと抽出率(Extraction Yield)を組み合わせることで、適切なコーヒーの味をコントロール できる。
- TDSを調整することで、コーヒーの味のバランスを最適化できる。
- Brix(ブリックス)は液体の糖度や濃度を示す単位で、コーヒー濃度の測定にも使える。
- エスプレッソなら8~12%、ドリップなら**1.2~1.6%**が目安。
- 屈折計を使って簡単に測定でき、味の一貫性と再現性を高めることが可能。
- TDSとの併用で、さらに正確な抽出管理が可能になります。
TDSを理解して活用することで、より美味しいコーヒーを淹れることができるようになります!
よかったら自分の淹れたコーヒーのTDSを測ってみてください。では。
(参考サイト ; Speciality Coffee Association)
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