エスプレッソマシン を使って抽出するコーヒーをエスプレッソと言います。
カフェでは当たり前のように提供されていますが、ラテのベースであり基本であります。
今回はエスプレッソ抽出に関して詳しく解説していきます!!
エスプレッソの由来
エスプレッソの語源はイタリア語で、「急いで」という意味の動詞「esprimere(エスプリメーレ)」から派生しています。エスプレッソは、急いで淹れられるコーヒーの一種であり、19世紀末から20世紀初頭にかけてイタリアで広まりました。
エスプレッソは、高い圧力で蒸気を使ってお湯を通すことによって短時間で淹れられるコーヒーです。通常、エスプレッソは小さなショット(30mlから60ml程度)で提供され、濃厚で風味豊かな味わいが特徴です。
エスプレッソは、イタリアのカフェ文化で重要な位置を占めており、短時間で手軽に楽しむことができるため、世界中で愛されています。
エスプレッソ抽出のポイント
- 清掃
- 正確な計量
- タンピング
清掃
エスプレッソを抽出するフィルターにコーヒーの粉をセットする前に、お湯でフィルター付着しているコーヒーの粉を流し、乾いた布で水分を拭き取りましょう。
コーヒーの粉をセットする前にこの作業を怠ると、フィルターのメッシュにコーヒーの粉がつまったりして抽出がうまくいかない原因になります。
正確な計量
フィルターにコーヒー豆をセットする際に目分量ではなく、必ずスケールを使って測ります。
グラインダーが自動で計量してくれるものでも、スケールで測ることをオススメします。
グラインダーに常に豆をセットしている場合、中に入ってる豆の量が減ってくると豆による重さが変わるので挽き目やg数に微妙なズレが生じてきます。
なので毎回計量を行うことで、微妙なズレを修正しながら抽出を行います。
タンピング
フィルターにセットしたコーヒーの粉を均一に押し詰めなければ完璧なエスプレッソは抽出できません。
常に一定の力でコーヒーの表面で水平に押すことがポイントです。
ディストリビュータなどあればよりクオリティをあげることができます。
また使い終わったタンパーは濡らさないように乾いた場所に置いておきましょう。
グラインダーの調整
エスプレッソの抽出状態を調整する場合は、グラインダーでのコーヒー豆の挽き具合だけを変更・調整する。この時、フィルターに詰めるコーヒーの粉の量とタンピング の強さは常に一定を保つようにしましょう。
挽き目
エスプレッソの抽出には極細挽きが適しています。
また挽き目が均一でないと、抽出がうまくいかない原因になります。
グラインダーを調整する必要がある時
湿度が高い
コーヒーの粉に湿気が帯びて密着度が高い状態。湯が通る抵抗が強まり、抽出速度は遅くなる。そうすると抽出時間内に抽出量を得られずにタイムオーバーとなる。エスプレッソは渋みが強く苦くなる。
湿度が低い
コーヒーの粉に湿気が少ないため、密着度が低い状態。湯の通りがよいので、抽出速度は速くなる。そうすると抽出量に満たない間に、エスプレッソの色が明るくなり、エスプレッソの風味も少なくなる。
またグラインダーには常に全体の2/3以上のコーヒー豆を入れておくようにしましょう。それ以下の量だと、豆が下に落ちにくくなり、挽きが粗くなって一定の挽き具合になりません。
エスプレッソの抽出
エスプレッソマシン にフィルターをセットしエスプレッソを抽出します。
しっかりフィルターをマシンにはめ込まないと、漏れたりして抽出エラーになります。
フィルターをはめ込む前に前の抽出したコーヒーの粉が付着してるかもしれないのでお湯を出してきれいにしておきましょう。
クレマ
クレマは、エスプレッソの最上部に形成されるクリーミーでなめらかな泡立ちのことを指します。クレマはエスプレッソの品質を判断する上で重要な要素の一つとされており、良質なエスプレッソを特徴付けるものの一つと見なされています。
以下は、エスプレッソのクレマに関するいくつかのポイントです:
- 形成されるプロセス: クレマは、エスプレッソマシンから高圧でお湯を通すことによって形成されます。このプロセスによって、コーヒー豆から抽出されるオイルやガスがエスプレッソに含まれ、クレマを形成します。
- 色とテクスチャ: クレマは、深い焦茶色から黄褐色までさまざまな色を持ちます。また、なめらかでシルキーな質感が特徴であり、エスプレッソの上部に広がります。
- 香りと味: クレマはエスプレッソの風味にも影響を与えます。クレマにはエスプレッソの豊かな香りや濃厚な味わいが含まれ、これがエスプレッソの愛好者にとって魅力的な要素となっています。
- 新鮮なコーヒー豆の重要性: クレマの品質は、使用されるコーヒー豆の新鮮さにも関連しています。新鮮な豆はより多くのオイルとガスを含み、クレマの形成に寄与します。
- エスプレッソマシンの性能: エスプレッソマシンの性能もクレマに影響を与えます。正確な温度と圧力が保たれることで、クレマが適切に形成されます。
エスプレッソのクレマは、エスプレッソの質を判断するだけでなく、そのコーヒーが新鮮で適切に淹れられていることを示す指標としても重要です。
完璧なエスプレッソ
- 濃いレッドブラウン色をしており、とろりと蜜のような状態
- クレマに厚みがあり、ミルクを注いでもクレマは壊れにくく、容易にミルクと混ざり合わない
- 挽きたてのコーヒーの香りがする
- 味は苦味がなく濃厚
抽出に失敗したエスプレッソ
エスプレッソの抽出色が薄い
- クレマに厚みがなく、ミルクを注いだ瞬間にクレマとミルクが混ざり合う
- 水っぽい状態
- 味は薄くて、酸っぱい
エスプレッソの抽出色が黒い
- コーヒーの油分と水分が分離した(クレマに穴がある)状態。ミルクを注いだ瞬間にクレマとミルクが混ざり合う
- 黒々とした状態
- 味は渋くて、苦い
エスプレッソ基本モデル
使用するエスプレッソマシーンやコーヒー豆の種類などに合わせて変更する必要があります。
抽出量 : 42~56ml/15~21g(コーヒー豆)
タンピング の力 : 13.5~20kg
抽出圧力 : 8.5~9.0気圧
抽出温度 : 94.4℃~95.6℃(ローストが深い⇔ローストが浅い)
抽出時間(蒸らし時間を含む) : 25~35秒
リストレット
リストレット とは一般的に粉量と同量のエスプレッソを抽出します。
たとえば20gの粉量の場合、ダブルのポルタフィルター両方合わせて20gの抽出を基準に考えます。抽出時間はおよそ25秒前後ですが、45秒以上かけてゆっくり抽出し、かつ量もさらに少なく抽出するお店もあります。
リストレット の特徴は、ゆっくり入れることにより成分が凝縮されるため、力強い刻や濃厚な風味が味わえることです。特に中深煎り、深煎りの焙煎豆に合った抽出方法の一つであり、焙煎で深めに焼かれたことによる、ナッツやチョコレートのようなフレーバーがしっかりと引き出されて、カフェラテにも非常によく合い、ラテアートを描く上でも基本の抽出の場合よりもくっきりとした絵柄を表現しやすくなります。
注意点として、抽出が早すぎると、非常に多くの酸味が出過ぎてしまったり、口当たりも弱く印象の薄いコーヒーになる傾向があります。抽出が遅すぎると、雑味や渋みばかり抽出されて本来の豆の良さを引き出すことができません。
リストレット の抽出は基本の抽出とはまた違ったアプローチが必要になります。
ボトムレスフィルター
ボトムレスフィルター(ネイキッドフィルター)はその名の通り、フィルターバスケットの裏面が露出しているため、全体から均等にエスプレッソが抽出されているかを確認できます。ここでの抽出が適正であれば、コーヒーの粉が均等にレベリングされて、タンピング も正しく行われている証拠です。
ボトムレスフィルターは通常のポルタフィルターと違って、スパウトを通らないためクレマがしっかりとカップに注がれます。これにより、ラテアートが描きやすい傾向であったり、ダークチョコレートのようなフレーバーを持った中深煎り、深煎りの焙煎豆などでは非常に香ばしい味わいが生まれます。
デメリットとしては二股のスパウトで分岐できないので、2杯のエスプレッソを同時に入れられなくなるのと、抽出された液体がカップの外側に飛ぶことがあるのでカップが汚れやすいことなどがあります。
ラテアートの問題解決
ラテアートがうまくいかない原因にはエスプレッソがあります。
エスプレッソ抽出時とミルクを注ぐ際に起こりやすい原因と問題、対策を紹介します。
エスプレッソの色が薄く、味が酸っぱい
原因
- 抽出時の湯の温度が低すぎる(グループヘッドのすすぎ過剰が原因)
- 抽出時の圧力が低すぎる
- フィルターの予熱温度が低すぎる(フィルターを長時間エスプレッソマシーンからはなしすぎることが原因)
対策
- グループヘッドのすすぎは1〜2秒に留める
- エスプレッソマシーンの圧力設定を上げる
- ドーシング、タンピング の作業速度を速くする
エスプレッソの色が黒く、味が苦い
原因
- エスプレッソマシーンの清掃が不完全
- ドーシングチャンバーに長時間放置しておいたコーヒーの粉を使用した
- 劣化したコーヒー豆を使用した(=焙煎後、時間が立ち過ぎてる)
- 抽出時の湯の温度がコーヒー豆に合ってない(=温度が高すぎる)
対策
- 専用の洗浄を使い、こまめにマシーンの清掃を行う
- 挽いたコーヒーの粉をためて置けるのは数分なので一回ずつ使い切るのがポイント
- 鮮度の高いコーヒー豆を使用する
- エスプレッソマシーンの湯温設定を下げる
まとめ
以上エスプレッソの抽出について解説しました。
基本ではあるのですが、実は細かい配慮や調整を、抽出と並行してやります。
ラテアートのベースでもあるので正確にできるようにしましょう!!では。
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